何を目指すかによってベストな進学先が変わります
華やかなイメージが強いファッション業界。特に女子学生からは「憧れの業界」として挙げられることも少なくありません。
ファッションに関わる仕事をしたい、ファッション業界に就職したい、と考えた場合、進学するべきか、それとも直接ファッションの世界に飛び込むべきか、と悩む方は多いと思います。ファッション業界へ就職した人の中には、自分の好きなアパレルブランドの販売店で、アルバイトとして働いていた経験を買われて正社員登用された、という人もいます。
販売員もファッション業界で働く重要なひとりです。この他にも、ファッション業界に携わる職業は数多くあります。ファッション業界に就職したい、と考えた場合、どの職業を目指すか?ということを明確にしないと失敗する原因になります。
ファッション業界に就職するにはどんな進路を選ぶべき?
さて、ファッション業界を目指す場合、高校卒業後の進路は大きく分けて2つに分かれます。
1つは、そのまま就職するルートです。しかし学歴が低く、知識や経験が足りていないことがほとんどであるため、よほどのコネが無ければ、最初から正社員で雇用されるということは難しいでしょう。多くの場合、販売などのアルバイトから正社員登用を待つことになると思います。また、現場で積んだ経験は所属している店舗や業種に特化したものであることが多いです。業界内の他の職業への転職した場合、またいちから学び直しということも珍しくありません。
そしてもう1つは、進学し、必要な知識や技術、教養を高め就職するルートです。進学先を誤らなければ、販売員のみならず、広報を担当するプレスや服飾品を作るデザイナーやパタンナーなどの技術職など、様々な職種を目指すことが可能です。
進学先は、大学と専門学校の2通りがあります。分かりやすい違いは学ぶ年数です。大学は4年間学び、専門学校はコースや学科、学校によって変わりますが概ね2年学びます。大学は「学士」の学位が得られますが、専門学校では「専門士」の称号が得られます。学士は世界的に通用しますが、専門士は称号であるため日本国内でのみ効果を発揮します。
とはいえ、「早くファッション業界で働きたいから、専門学校にしよう!」と安直に決めてはいけません。目指す職業によって最適な進学先が変わります。
職種別の最適な進学先とは?
とても乱暴な言い方をすると「販売員以外の職種を目指すのであれば、専門学校がベスト」です。これにはいくつかの理由があります。
確かに、服飾専門の大学もあります。そこでは服飾に関することを包括的に学び、さらに技術を高めることができます。これにより、デザイナーやパタンナーなどの技術職から企画職など、様々な職種を目指すことが可能です。
しかし、実際の現場を意識した学習をし、即戦力になり得るという点を見ると、大学よりも専門学校での学びに軍配が上がります。ファッション業界は懇切丁寧に研修を行うというよりも、習うより慣れよ、という実力主義的な面が強いです。そのため、就職時点である程度の技術力を有していることが前提となります。
なお、総合職など、会社全体に関わる職を目指している場合には学歴が求められる場合が多いです。そのため、技術職以外を目指す場合は、大学への進学をおすすめします。
それでは、専門学校はどうでしょうか。先ほども少し触れたように、専門学校の強みは実務を意識した、即戦力になり得る学習を行える点です。学校によっては業界関係者を招いたセミナーやワークショップ、講義を行うこともあります。ファッション業界は他の企業とは違う、業界固有の雰囲気や慣例、しきたりがあります。学生のうちから現場の空気を感じながら学習を進めていきたいのであれば、こちらのファッションの専門学校をおすすめします。
ここは、ファッション業界の第一線で活躍していた、豊富なキャリアを持つ教師陣から教育を受けることができます。業界での就業経験があるため、どんな人材が求められているのか、を的確に理解しています。そのため、就職を強く意識した勉強をすることができます。また、様々な企業やブランド、アーティストとのコラボプロジェクトを多数行っており、学生のうちから現場に非常に近い空気感の中、力をつけることが可能です。
一方、学歴は大卒者と比較するとやや見劣りするため、総合職を目指している場合は学歴の部分でマイナス評価を受ける可能性があります。とはいえ、専門学校の最大の魅力は、なりたい職業に直結する、即戦力となる力を身に着けられる点です。学歴が全てではないファッション業界では、「何をやりたいのか」をしっかり考えることが大切です。
目指す「業界」より「職業」を明確にすることが重要
まとめると、技術職を目指すのであれば専門学校、販売員や総合職など、必ずしも技術を必要としなしない職を目指すのであれば大学への進学をおすすめします。なお、販売員に関して言えば、ファッションを専門に学ぶ学校の卒業者でなくとも採用される可能性があります。ファッション以外の業界でアルバイトなどをした経歴がある場合、そこで培った接客経験やマネジメント経験などが評価され、採用されることもあります。
しかし、ファッション業界を目指したいと思っているなら、学生時代にアパレル店員のアルバイトを経験しておくのもオススメです。お金をもらいながら、実際に働いてファッション業界特有の接客などの勉強をすることができます。アパレル店員のアルバイト経験は、販売員として正社員になった時だけでなく、ファッション業界に携わる職業ならどんな場面でも役に立ちます。
まずは、ファッション業界で自分が何をしたいのかをしっかりと考えることが大切です。自分の目指す職業が何かをしっかりと考えて、後悔しない進学先選びをしましょう。